営業実績トップの大口の社長

それは数年前の話、某地方都市で出会った社長のこと。

その頃私は新規開拓営業を行っており、お客様とアポが取れたのでお客様の会社に向かうために信号待ちをしていた。

すると、道路の向かい側で年配の男性が自転車で今にも倒れそうなほどヨロヨロしているのを見かけた。

「危ないなぁ」と思って見ていると案の定縁石にぶつかり派手に転んで倒れた。

信号が変わり私は急いで年配の男性に駆け寄ると、頭から出血していることに気が付いた。

「これは危ない…」私は身の回りの安全を確保することを同時に倒れていた自転車のスタンドを立て、もう一度年配の男性に近寄り声をかけた。

私

大丈夫ですか?立てますか?

年配の男性年配の男性

大丈夫…!自力で立てるよ。

年配の男性は気丈にふるまっていたが血が止まる気配が全くない。

私は近くの病院に行くことを勧めたが、家にいる妻と一緒に行くというので一度奥様と連絡を取り現場まで来てもらうことにした。

私はその場で立ち去るわけにもいかず近くの公園のベンチに座り、しばらくの間年配の男性と二人で他愛もない話をしていると無事に奥様が到着し、丁寧に礼を言ってタクシーに乗り二人で病院に行った。

私は見送ると同時に時計を確認すると、予定していたアポの時間が過ぎているではありませんか!

慌ててお客様に少し遅れる旨の電話をかけ、すぐに会社に向かった。

偶然が重なった一つの奇跡

まもなく訪問先に到着し、お詫びをした後にいきなりこのような言葉を浴びせられた。

社長社長

あなたから電話があった後広告出稿を考えたが、やっぱりウチには必要ないよ!

私は心の中で「話が違うじゃないか…!」と叫んだが、とりあえず訪問したからには何か結果を残さなければと思い、自己紹介と自社商品の説明をしているとドアが3回ほど鳴った。

すると、ゆっくりとドアが開き頭に包帯を巻いた年配の男性が入ってきた。私はすぐに先ほど自転車で転倒した男性だと気付き軽く会釈をした。

すると、先方は「えっ!」と言ったまま私を見て今にもひっくり返りそうに驚いた。

そう、先ほどの年配の男性は私がアポ訪問している新規営業会社の会長さんだったのです!こんな偶然があるでしょうか。

この後、先ほど起こった事情を私と会長で社長に説明すると、

社長社長

ありがとうございます!親切にしていただいたお礼に少しだけ広告を出させてください!

という大逆転の言葉をもらい、成約までしていただいた。

あなたはどちらを選ぶ

営業マンに求められる運命の選択

このようなケースは本当にごく稀だと思う、長い間営業をしていると予定調和ではないことが沢山起こる。

今回は見て見ぬふりのできない私の性格から生まれた偶然が重なった奇跡だったが、割り切るところはちゃんと割り切らなければいけない。

そのような危機的状況での決断力は営業で生きていく上で非常に重要になってくる。

どの仕事も時間を守ることは大事だが、営業の仕事となると少し話が変わってくる。

自分が遅れることによって相手側の会社にも自分側の会社にも迷惑をかけてしまう。

会社と会社を繋ぐ仲介人のような役割をしている営業マンが時間を守らないということはあまりにも致命的。

しかし、目の前で困っている人を助けるという人を助けるという本能的な部分は必ず持っていなければいけない。営業ばかりに染まってしまってはロボットと何も変わらない。

少し哲学的な話に寄ってしまったが、『決断力』というものが営業でどれだけ大事になってくるのか一度深く考えてみるとよい。